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ヨムヨムエブリデイ

コタツがある家

つい数日前は昼間Tシャツ一枚でよかったのに、急に朝晩冷え込む。寝具を冬仕様に替える。コタツはもっと寒くなるまで待つことにする。だってコタツを出してしまったら、地蔵のように動けなくなってしまうので。冬はいつもこんなふう。

伊藤理佐『ステキな奥さんぬははっ』より

『いつかたこぶねになる日』をゆっくり読み終えた。ものすごくエレガントで、この著者は「かわりにおしっこいってきて~」とか決して言わなそう。次はこの文庫の帯を書いている江國香織の『シェニール織とか黄肉のメロンとか』を読む。江國さんももちろん言わない。


ニュースでガザの惨状を目にするとつらくなる。4年ほど前に岡真里『ガザに地下鉄が走る日』(みすず書房)を読むまではパレスチナ問題に関して全くの無知、無関心だった。この本だってタイトルから、実際にガザに地下鉄を建設する奮闘記、プロジェクトX的なルポルタージュかと思い込んでいたくらいだから、無知にも程がある。「難民キャンプ」という言葉から難民たちがキャンプでずっとテント暮らしをしているものと思ってもいた。もっと知らなければと思った。

ガザでは、攻撃のときのほうが良かったという子どもがいるのだという。攻撃のあいだは世界じゅうがガザに関心を向けてくれていたからと。しかし、攻撃が終わったとたん、ガザは急速に忘れ去られていった。完全封鎖は依然、続いているというのに。日本の報道もそうだ。」(p.240)