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ヨムヨムエブリデイ

だんだん近づいてくる

柴田元幸高橋源一郎『小説の読み方、書き方、訳し方』より

このところ、同僚や友人など身近でコロナに感染する人が増えた。激増というか爆増というか。体感的にはこれまでで一番多いんじゃなかろうか。症状はピンキリで、しんどい人はめちゃしんどそう。勤務シフトの調整でわちゃわちゃしている。

シンセミア』を先週読み終えた。疲れた~。ラストきちっとまとめたなあと思っていたら、最後の最後でえっ!となった。長年、頭の隅っこにあった『シンセミア』をようやく読めて満足感に浸っている。
リストマニアなので、何かを読んでいてリストが登場したら、とりあえず記録代わりにバシバシ撮っていて、そうして溜まったリストが山ほどある。↑の写真は高橋源一郎が選んだニッポンの小説30冊。2009年刊行なのでちょっと古いが、こういう系統のリストには必ず『シンセミア』が出てくるのだった。平成の日本文学ベスト10とか。で、気にはなるけれど、なぜか自分には遠いという意識があり、なかなか距離が縮まらなかった。2020年に『キャプテンサンダーボルト 新装版』を読み、2021年に『ブラック・チェンバー・ミュージック』を読み、2023年の冬に『オーガ(ニ)ズム 』を読み、夏にとうとう『シンセミア』を、もう感無量である。だんだん近づいてきてくれてありがとう。近づいていったのはもちろん私だが、そんな単純な一方通行ではないような気がしている。