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ヨムヨムエブリデイ

20年後のシンセミア

八月最後の日。代休をもらう。昼間はまだまだ残暑が厳しい。食欲はもりもりあり、夏バテといふうでもないが、暑さによる疲れが少~しずつ体の奥に蓄積してきた感じがある。午前中、銀行と郵便局などに行き、まだ早かったのでコメダでモーニング。ランチで混み合うまで小一時間ほど本を読む。
阿部和重シンセミア』(講談社文庫)下巻に突入。今年の初め、文庫化されたばかりの『オーガ(ニ)ズム 』を読んでいた時間があまりにも楽しかったので、サマーリーディングはボリューミーな『シンセミア』にしようと決めていた。『シンセミア』が刊行されたのが2003年だから、20年後に初めて読むことになった。しかしまあ、盗撮、ロリコン、暴力、スカトロ、ドラッグなど猥雑な世界がこれでもかと描かれていて、気持ち悪くて厭ったらしいんだけど、どんどんページを繰らずにはいられない。グワーッと唸りながら読む。朝日新聞斎藤美奈子旅する文学【山形編】に「山形の文学は夏に読むのにふさわしい。背中にふっと冷気が走るからだ。」とあったが、『シンセミア』を読んでいた「あのめちゃくちゃ暑かった夏」は、ずっと記憶に残りそうな気がする。サマーリーディングにして正解だった。いつか神町に行ってみたいなあ。若木山に登りたい。
夜はカレー。煮込むのが暑いのでキーマカレーに。うまかった。『シンセミア』あと少し。