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ヨムヨムエブリデイ

エッセイとは自慢話のことである

最近まったく本を読めない、本を読む気分にならないという人をネットでよく目にするが、読みたくないのに無理に読まなくてもいいんじゃないですか、別に本を読む人がえらいわけでもないし、他に楽しいこといっぱいあるし、と思うのだけれども、自分は、どんなに忙しくても疲れていても、何かは読める体質のようだ。ただしこんな時はサラッと読める軽めのエッセイが多くなる。

酒井順子『日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか』を読む。本の帯に「エッセイとは自慢話のことである」と井上ひさしの言葉が。自慢話を延々聞かされるのはしんどいが、本ならいつでも閉じられるから安心。
『シブい本』坪内祐三「エッセイストになるための文庫本一〇〇冊」 - Hatena::Diaryをガイドブックにしてエッセイに親しみ、講談社エッセイ賞を毎年楽しみにしていたエッセイ好きなので、とても興味深く読んだ。
村上春樹が、村上ラヂオ2『おおきなかぶ、むずかしいアボカド』のまえがきに、小説家の自分にとってエッセイは「ビール会社が作るウーロン茶」みたいなものだが、書くからには「日本でいちばんおいしいウーロン茶を目指して作る」と書いている。ビールとウーロン茶。

『日本エッセイ小史』と一緒に、阿川佐和子『残るは食欲』(新潮文庫)も持ち歩いている。阿川佐和子のエッセイはそんなに読んできていないが、これは、くどうれいんさんが選書していたので読んでみようかなと思った。こういう本を隙間時間に、チョコレートをつまむようにちょびちょび読むのが楽しい。