y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

ネネさん

GW前と、連休谷間の出勤日と、連休明けの忙しさが落ち着いて、いつものルーティンがやっと戻ってきた。ルーティン好き。昼休みに持参したおにぎりを食べ、みんなのお土産のお菓子をつまみながら本を読める愉快な30分も戻ってきた。

連休中から手を付けていた津村記久子『水車小屋のネネ』を読み終える。通勤や仕事の合間に少しずつ読むのがひたすら楽しい一冊だった。話の始まりは、先月読んだ『黄色い家』とよく似ている。母子家庭に暮らす少女が、母親の恋人や婚約者から、お金を盗まれたり暴力を振るわれたり酷い目にあわされ、たまらず家を出る。そこから出発し、『黄色い家』には、カード詐欺とかシノギとかヤバい方へ転がっていく90年代が、『水車小屋のネネ』には、周囲の人々の小さな善意に支えられ、また支えもしながら堅実に年を重ねていく40年が描かれる。ほぼ同世代の二人の作家が同時期に新聞に連載した小説を読めて本当によかった。もう腹パンパンである。いや腹ではなくて、脳パンパンというか心パンパンというか、とにかく本を読むのっていいものだといつも思っていることをまた思っている。さて、次は何を読もっかなー。