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ヨムヨムエブリデイ

歩く

金曜日。代休の日。晴れてあったかい。このところ気持ちのよい小春日和が続いている。
散髪にいく。前回まではコロナのため予約の人数制限が行われていて空いていたが、今は制限を緩和したとのことで店に活気が戻っていた。相変わらず頭皮硬いですねーと言われる。一応、家で頭皮マッサージしてるんだけどな、ストレスが多いからね。スッキリ短くしてもらう。ナポリタンとサラダとコーヒーがセットになったランチで腹ごしらえをしてから、さあ歩くぞ。
この夏『グランマ・ゲイトウッドのロングトレイル』 (山と渓谷社)という、DV夫や11人の子育てから自由になり、67歳で女性で初めてアパラチアン・トレイルを歩き通したエマ・ゲイトウッドについての本を読んでから、歩き欲が湧いている(すぐ影響される)。歩き用のスニーカーも新調した。エマは険しいトレイルを1日20㎞歩いていたが、私は普段電車やバスで移動するルートを歩く程度。しょぼいけど、気分がいいし楽しい。神社があればお参りし、疲れたらコンビニで肉まんやコーヒーを買って公園のベンチで休憩し、リュックに入れてきた文庫本を読む。今日は、平野啓一郎『決壊(上)』(新潮文庫)。これは山本文緒『残されたつぶやき』(角川文庫)のなかで熱く語られていた本。平野啓一郎は昔芥川賞受賞作を読んだきりだったが、何年か前の『ある男』が面白くて、苦手意識がなくなった。文庫本から目を上げると日が翳り始めている。キリのいいところでスピンを挟み、帰路につく。

今月文庫化された『自転しながら公転する』で、山本文緒新潮文庫は『アカペラ』に次いで2冊目。今回初めて背表紙に色がついたことに気づいた。爽やかな色。キャリアが長いのでとっくに色がついていると思い込んでいた。この色は誰が選んだのだろう。