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ヨムヨムエブリデイ

表紙の質感

今日も疲れたが、明日が休みなので気持ちがゆったりしている。仕事用の専門書を買いたくて、帰りに大きな書店まで足をのばす。本屋にはあまりこだわりがなくて、どこでもいいと思っている。こだわりのありすぎる本屋がむしろ苦手。日々の通勤ルートにあるこぢんまりしたチェーンの本屋で雑誌や新刊をチェックして、月に何度か大きな書店を回遊できればそれで満足。
文庫の新刊コーナーには文春文庫の新刊が並んでいる。内澤さんのストーカーのやつ文庫になったんだ。平松洋子『いわしバターを自分で』、この連載、初期の安西水丸画の頃は単行本→文庫だったが、それ以後のシリーズははいきなり文庫というスタイルに。週刊誌の連載、即文庫は嬉しい。堀江敏幸『オールドレンズの神のもとで』は単行本のデザインを受け継いだカバーがにくいほど「ザ・堀江敏幸」している。各社の文庫のカバーはだいたい手触りでわかるけれども、この『オールドレンズ…』は、他の文春文庫のような光沢がなくトゥルトゥルしていない。その渋さがまた「ザ・堀江敏幸」。文春文庫では川上未映子『きみは赤ちゃん』のカバーもトゥルトゥルしていなかったと思う。新潮文庫伊丹十三や内田百閒やStar Classics 名作新訳コレクションのカバーも他のと質感が違うし、講談社文庫の大江健三郎の何冊かも違う。本は意外と触覚でも憶えているものなんだと思った。
大型書店はPR誌のコーナーも充実していて、いつも行く本屋で見かけないものを数冊いただく。その中の「STORY BOX」3月号の一挙掲載282枚乗代雄介「パパイヤ・ママイヤ」を読みながら帰る。