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ヨムヨムエブリデイ

シリーズもの

朝冷え込む。昨日の雨のせいか空がいつもより青い気がする。

シリーズものについて考える。シリーズものは、途中から読もうと、逆から読もうと、その人の自由なのだけれど、やはりいちばんいいのは、早い段階でファンになり、次の新刊が出るのを楽しみに待ち続け、主人公とともに年を取り、最終巻まで見届けて、ああ、終わっちゃったなあと程よい満足感にひたりながらページを閉じることだと思う。若竹七海の葉村晶シリーズや、アーナルデュル・インドリダソンのエーレンデュル捜査官シリーズや、ユッシ・エーズラ・オールスンの特捜部Qシリーズなど好きなシリーズはどっさりある。大昔に完結したシリーズものにハマり、ブックオフなどでコツコツ集めながら読むのも楽しい。村上春樹が好きな本としてよく名前を挙げるリー・チャイルドのジャック・リーチャーシリーズはまだ読んだことがない。
厄介なのは、厄介というか悩んでしまうのは、現在継続中のシリーズものに、途中で出合ってしまったとき。それが三冊目ぐらいなら、最初からすぐ追いつけるのでいいが、巻数がかなり進んでいるとどうしたもんかねと迷う。あとがきに、物語としては独立しているのでこの巻から読んでも全く問題なしなんて書かれていてもやはりねえ、最初から順番に読んだ方が人物関係とかがよく把握できるのではないか。そんなふうに迷っているうちにどんどん巻数が増え、結局読む機を逃してしまったシリーズもどっさりある。

ここで登場するのが、シリーズ長篇第6弾、月村了衛『機龍警察 白骨街道』。6冊目かあ、微妙だなーと悩んでいるときに、「書評七福神の今月の一冊十月度ベスト!」のスチュアート・マクブライド『獣たちの葬列』への北上次郎のコメントが目にとまった。

「シリーズものは最新作を読め」というのが最近の主張なので、前作『獣狩り』を未読でもこのシリーズ第2作を読み始めた。これが面白ければ、あとで前作に遡ればいいのだ。いやあ、いいなあ。全編を貫く暴力の匂いが凄まじい。ゴツゴツしていて、ざらざらしていて、この作家、すごく気になるので、急いで前作を読もう。

「シリーズものは最新作を読め」。これだ!あとは読んでから考える。北上さんありがとう。白骨街道読みますよ。