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ヨムヨムエブリデイ

呑んで読んで

休み。昨夜ひさびさに複数の人と夕ごはんを食べに行く。楽しかったけれど、どっと疲れた。今日はだらんだらんする日曜日。肌触りのよい毛布に顔の下半分から首のまわりを埋もれさせ、ずっとこうしていたいなあと思う。
北海道新聞の連載、北大路公子「続々 呑んで読んで」を毎月楽しみにしている。いま病気の治療中でとてもつらそうだが、今日の朝刊で新しい文章を読めて本当によかった。この連載は国産のエンタメ小説(私の知らない作品も多い)が主に取り上げられていて、どれも読みたくなってしまう。今日のやつも読むぞ。同じ紙面に載っていた「まさきとしかの読まさる書かさる」には『スカートのアンソロジー』が紹介されている。ちょうど読んでる最中でタイムリーだった。
冷凍うどんで釜玉うどんを作り、本を読み、動画を見ていたらもう夜。読んだ本、増田みず子『理系的』(田畑書店)、川野里子 短歌日記2020『天窓紀行』(ふらんす堂)、『朝倉かすみリクエスト! スカートのアンソロジー』(光文社)。
こんな日曜日があるとほっとする。春日先生が『ネコは言っている、ここで死ぬ定めではないと』のなかで肯定してくれている。

穂村 うーん……僕は家でどら焼きとか食べながらコーヒー飲んで、諸星大二郎とか読んでるような生活ができるなら、それでいいかな(笑)。別にダイヤモンド要らない。
でも前に、そうしたマインドを作家の川上未映子さんに怒られたことがあるよ。「世界には飢えている人もいれば、性的少数者として苦しんでいる人もいる。そういう現実がある中で、諸星大二郎読んでどら焼き食ってれば自分はいいんです、って言っちゃう人は物書きとしてダメ」って(苦笑)。自分はここでちまちま遊んでいられれば、それ以上は望みません——みたいなのは、やっぱりダメなのかな?
春日 そんなわけないじゃん。
穂村 でも、複数の友だちにダメだって言われたよ。
春日 俺に言わせれば、ちゃんとそういう幸せの形を示せるというだけで十分だと思うな。そこには、他人に伝わるかどうかは別にして、その人なりの切実さが絶対あると思うしさ。