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ヨムヨムエブリデイ

期日前投票

快晴。午後半休。半休の日は、ランチのことを考えていると時間がはやく経つ。いそいそと退勤。何かガッツリ食べたくて、ひさびさにとんかつにする。特製ヒレかつランチ。ふわっふわの山盛り千切りキャベツがおいしい。満腹。食後のコーヒーを飲みに店を移動し、しばらくアン・タイラー『ヴィネガー・ガール』(鈴木潤訳、集英社)を読む。楽しみにしていた語りなおしシェイクスピアシリーズ第3弾。アン・タイラーは『ノアの羅針盤』を読んで以来だから10年ぶりぐらいか。新しいのを読めるのが嬉しい。小林信彦の書評で知った作家。

そのあとぶらぶら歩いて図書館へ。青空の下、歩くのが気持ちいい。ご自由にお持ちくださいの廃棄本コーナーをじっくり眺め、上限の5冊いただく。さらに5冊借りる。朝、家を出るときに持参してきた本もあるので、それらを全部収めると、背中のリュックが急に石地蔵のように重くなった。石地蔵を背負ったまま、期日前投票に行く。期日前投票の便利さを知ってからは、ずっと期日前投票派だ。

帰りにセブンイレブンでアイスコーヒーを買ったら、なぜかアメリカンドッグも買っていて、それを持って公園のベンチへ。図書館でもらってきた本を、あっちこっちぱらぱらする。この時間がたまらなく楽しい。その中の一冊、鷺沢萠『ケナリも花、サクラも花』(新潮社)は、著者の韓国語学留学記。昔、薄い文庫版で読んだ記憶はあるが、当時は韓国に興味がなかったせいか内容は全く覚えていない。ページを繰っていると、韓国の不動産システムの「チョンセ」に脚注が付いているが、韓国の小説などでチョンセのことは俺に任せろっていうくらいチョンセに詳しくなっているので、いまの自分には脚注は不要である。進歩してる。この本、いまのほうがずっと興味深く読めそうだ。表紙に水彩でケナリ(れんぎょう)がシュッと描かれている。裏表紙には、桜の花びら。装幀・装画 安西水丸とある。装幀もなんだ。こんな所で水丸さんに会えるとは。

スーパーに寄って石地蔵がさらに重たくなり帰宅する頃にはきれいな夕焼けが。半休の日は自分の時間がたった5時間ぐらい増えるだけなのに、ものすごく豊かな気持ちになる。