スッカスカ

明日の朝は平野部でも積雪の予報としきりにアナウンスされていたから、おやつを含め、食料をどっさり買い込み帰宅し、雪ごもりする気満々で目覚めると、全然積もっていない。雪はないが、冷たい雨が降り、うってつけのこもり日だ。本を読み、うとうとし、食べたい物を食べ、ドラマを見て、またうとうと。イライラしたり、不愉快になる要素は全くない、愉快な日曜日。

以前から好きだったが、近頃またエンタメ小説をよく読むようになった。素人読者としては、芥川賞三島由紀夫賞が純文学で、直木賞山本周五郎賞がエンタメ小説と大雑把に認識しているのだけれども、直木賞作家の桐野夏生が「図書」紙上の武田砂鉄との対談で、この十年近くの傾向だと思うのだが、小説が「純文学」と「エンタメ」に二分されて、自分も「小説家」ではなく「エンタメ作家」と呼ばれることが増えた、ただ普通の小説を書いているつもりなのに、なぜそうやって〈文化的なもの〉と〈売れるもの〉に分けられてしまうのか、そのあわいにいる小説家はたくさんいるのに、というようなことを言っていた。

先日芥川賞直木賞が決定したが、その前にいろんな媒体で行われる受賞作予想で、ある直木賞候補作について、豊崎由美栗原裕一郎両氏が口を揃えて、中身がスカスカ、プロットしかない、これがよく候補作になったな、でもそういう作品が今は受けるのかもしれないなど言及していて、その作品を面白く読んでいたので、自分の読解力のなさにがっかりした。でもまあ、スカスカであろうと、読んでいる数時間か数日間楽しい時間を過ごせて、ああ面白かったーと本を閉じられたら、もうそれだけでいいんじゃないかと思っている。典型的な「今の読者」なのかもしれない。

桜木紫乃『家族じまい』(集英社)を読み終え、次はエッセイにしようかと読み始めた阿部直美『おべんとうの時間がきらいだった』(岩波書店)がとてもよかった。
大栄翔が初優勝。