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ヨムヨムエブリデイ

皿じゃない

やっと涼しくなりホッとしている。歩くのも苦にならなくなった。ぶらぶらひと駅歩く。自分が歩いている道の同じ端を向こうから歩いてくる人がいてすれ違うのが気まずいので前もって向こうの端に渡ると相手も同じことを考えていたようで結局すれ違うことになり、気まずさマックスだった。

日曜の朝、全米オープンで優勝した大坂なおみが、眼前に掲げたトロフィーカップにキスしているのを見たとき「わー、皿じゃないんだ!」と思った。テニスにはそこまで興味はないけれど、子供の頃から毎年NHKで放送されるウィンブルドン大会だけは楽しみに見てきた。男子選手が優勝すると、でかいトロフィーカップが授与され、それにキスするというシーンがお決まりのショットだったが、女子選手のは、カツオのたたきが盛られるような大皿で、見るたびに「えー、皿かよ!なんで皿?ちゃんと料理に励めよってこと?」と子供心にちょっと不満だった。その皿も「ローズウォーター・ディッシュ」などと呼ばれ由緒あるもののようだし、サッカーでも皿状のトロフィーををよく見かけるが、やはり優勝→トロフィーカップ→キスが王道という気がする。テニスの女子は皿!と思い込んでいたので、朝起きぬけに大坂なおみカップキスシーンを見られたのはよかった。

月曜日。今週かばんに入れているのは、三浦哲郎『盆土産と十七の短篇』(中公文庫)と『つげ義春日記』(講談社文芸文庫)。昼休みに食後のコーヒーをすすりつつ、三浦哲郎の短篇を一つ二つ読み、つげ義春の日記を何日分か読む。昼休みを待ちきれず、息もつかせぬエンタメ小説をを鼻息荒く読む昼休みもいいけれど、こんな落ち着いた時間もとてもいい。まあ結局は何を読んでもいいってこと。日記はその月の終わりまでくると、読む区切りをつけやすいが、ある一日の記述が左ページの終わりでちょうど終わるところもいいキリになる。

ゴローさんに影響され、チキンカツを買って帰りカツ丼を作ってモリモリ掻き込む。おいしい。梨とぶどう。