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ヨムヨムエブリデイ

皮が破れるほうの餃子

くっついた餃子と餃子をはがすとき皮が破れるほうの餃子だ


雑誌の隙間を埋める1~2ページの連載コラムが好きで、週刊誌、文芸誌、ファッション誌などそれぞれの雑誌にそれぞれ贔屓の連載がある。新しいところでは「文學界」の松浦寿輝の「遊歩遊心」なんかちょっと楽しみ。「本の雑誌」の石川美南「行間の広い本棚」も好きで、この数ヶ月の間にここで紹介された櫻木みわ『うつくしい繭』や神田茜『母のあしおと』を読みたくなり実際に読んだりもしたので、かなり打率が高いというか相性がいい連載と感じる。今月号は相原かろの歌集『浜竹』(青磁社)を取り上げ、そこで引用されていたのが上の短歌。こういうのに弱いんだな。ただのあるあるネタのようだけれど、もし自分が餃子だったら絶対皮が破れるほうだし、妙に気に入ってずっと頭の中で反芻している。

通勤読書は北村薫『うた合わせ 北村薫百人一首』(新潮社)。ブックオフかどこかで買ってそのままになっていたが、もうすぐ文庫化されるようなので悔しくて急いで読む。タイトルから最果タヒ百人一首という感情』のような百人一首を題材にしたものかと思い込んでいたら違った。色んな人の短歌と北村薫の解釈が読めて、散文好きの短歌シロートにはありがたい一冊。しかも最初に石川美南の歌が取り上げられていて、あ、こんなところに石川さん、と思った。