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ヨムヨムエブリデイ

好きになりたい

台風接近中。もうこれ以上日本列島を上から下から痛めつけないでほしい。こう暑さが続くと、暑さマジックにかかり、夏が終わり涼しくなりさえすれば、何でもできるし、何をやっても万事うまくいく気になってくる。私にできないことなんてあるかしら? 涼しくなれば、生産性もバリバリ向上するにちがいない。涼しくなるという点においてだけは、明るい未来が待っている。待ち遠しいよ、秋。
本の雑誌穂村弘「続・棒パン日常」が、好きな人の好きな本を好きになりたいのに好きになりきれず、本屋で見かけるとまた買ってチャレンジしてしまうことについてだった。ほんとそれ!と思った。穂村さんは、好きになりきれない作家として、ブラッドベリ久生十蘭稲垣足穂を挙げている。
最近では、宇多田ヒカル効果でナボコフの『青白い炎』が爆売れとか、好きな人の好きな本が気になる人が多いってことだろう。趣旨はちょっとちがうけれど、女性自身に連載中の「ブルボン小林の有名人(あのひと)が好きって言うから…」も面白い(長嶋有のブログ、ムシバム2018も始まったよ)。でも、好きな人の好きな本というだけで期待値MAX、ハードルがぐいーんと上がるので、実際に読むと、うーんそれほどでも……となることがほとんど。あと、自分の好みをよく知る友人が「これ、あなたが絶対好きだと思う!」と薦める、というか押し付けられる本を好きになったためしがないのも、やっかいだ。
それでも好きな人(気になる人)が書評や書店の選書フェアで取り上げたり、ネットや著書の中で紹介する本を好きになりたくて読む。次から次へと、エンドレス。原田宗典の『〆太よ』は、まったく目に入っていなかったが、今週の書評欄で佐伯一麦が取り上げていたので、読みたいと思っている。
今週読んだ本。南伸坊『くろちゃんとツマと私』、温又柔『空港時光』、東江一紀『ねみみにみみず』。