y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

シャイニングマンデーて……

ジャック・ニコルソンが歯を剥きだしている顔しか浮かばない。先週の台風を境に気温が下がり、今日なんかも暑いことは暑いが、これまでの凶暴な暑さにコーティングが施されたようなマイルドな暑さ。しかしまた暑くなるらしい。
梯久美子原民喜 死と愛と孤独の肖像』(岩波新書)を読んだ。新書で出たのがすごくありがたかった。分量が少ないのもあるけど、もし『狂うひと』のような単行本だったらこんなに気軽に手に取れなかったと思う。原民喜の著作はボチボチ読んできたけれど、ざっくりした略歴ぐらいしか知識がなくて、正直なところ、原爆記念日が近づく夏の日に『原民喜全詩集』(岩波文庫)を読む私(オホホホ)、に酔っている部分があったような気がする。この新書を読み、酔いが醒めた。素面で読みたいと思った。
誰もそうかもしれないが、短編集(に限らず何でも)は、律儀に最初から順番に読んでいかないと気が済まないたちで、そうするとたいていあまり好きじゃないなーとか、全然面白くないというのも入っているので、よかった!と感動するものがあっても短編集トータルでみると薄い印象になってしまう。一周読み終えてノルマを達成したあとに、途中から、あるいは後ろから、あるいはお気に入り曲をリピートするように好きなところだけ何度も読み返すのが楽しい。だからアンソロジーが編まれるのかな。初読時は、タイトルに「全」なんて付いているのでノルマ感がすごかった『原民喜全詩集』(岩波文庫)と『原民喜戦後全小説』(講談社文芸文庫)をこんなふうに自由に読み直そうとカバンに入れている。