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ヨムヨムエブリデイ

ツインテール

ぽかぽか陽気の連休2日目。髪を切りにゆく。さくさくカットされる髪をぼんやり見ながら、なにかヤバいコスプレをする機会でもなければ、永遠にツインテールなんかにすることはないだろうなと思う(別にしたいわけではないけれど)。コーヒーブレイクをして、買い物がてら町をぶらぶら。通りすがりの車のウィンドウに映る頭のシルエットが自分ではないみたい。まだ慣れない。
文庫の新刊コーナーを見ていると、井上荒野『夢のなかの魚屋の地図』(集英社文庫)が目にとまった。何年か前に面白く読んだエッセイ集で、文庫になったのかぁと懐かしく思うと同時に、幻戯書房の本も文庫になるんだと意外な気がした。幻戯書房の本は、内容も造本も素敵なものが多いが、値段設定がお高め(仕方がないとは思う)で、気軽に手を出しにくい感じもあり、文庫ラヴァーとしては、文庫化大歓迎だ。あまり文庫化される印象のない幻戯書房の本だが、よく考えてみると、思いつくだけでも、

などが文庫化されていて、たぶんもっとあるだろうから、そんなに珍しくはないのだった。常盤新平の本とか銀河叢書がどんどん文庫になると嬉しいが、元本が売れなくなったらまずいね。

柴崎友香かわうそ堀怪談見習い』を読んだ。その勢いで、柴崎さんの前のも読みたくなり、まだ読んでいなかった『わたしがいなかった街で』(新潮文庫)を読む。『わたしがいなかった街で』に収録されている「ここで、ここで」になみはや大橋が出てきた。なんか最近、個人的に大正区がきてる感がある。
柴崎さんの文庫本を並べると、河出文庫が多いせいもあるが、全体的に黄色っぽくていい感じだ。いつだったか柴崎さんが新聞のコラムに、文庫本の背表紙の色について書いていた。堀江敏幸さんがグレーで統一しているのを見て自分も揃えようと思ったというようなことだった。講談社文庫のオレンジがもし黄色だったら、完璧だったなと思う。角川文庫はしかたがないのかな。柴崎さんの本は『パノララ』がすごくよかったが、未読のものがまだ数冊残っているのでこれからの楽しみでもある。