y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

シン・タマネギ

yomunel2017-03-10

春めいてきたけれど、朝や夜遅くに帰るとき風が冷たくて、何を着ればいいのか迷う。春キャベツと新玉葱が甘くておいしい。いただき物のポンカンを食べると、部屋がずっといい匂い。
上司から、「君は閉じた質問ばかりするね」と注意される。それは自分でもよくわかっている。会話を広げたくないのだ。さっさと切りあげて終わらせたいという思いが閉じた質問になって出てくるのだと思う。今日、同僚のK君にした質問は、「全力坂って何がおもしろいの?」だった。「そりゃあもう全部がめちゃくちゃおもしろい!」らしいが、これも閉じた質問なのか。

日々、読みたい本が更新され、実際に読むものもあるが、車窓の風景のようにそのまま流れ去っててしまうもののほうが多い。その流れ去ったものがふとしたきっかけで戻って来ることがあり、よく戻ってきてくれたと歓迎して読んでいる。
津村記久子『エヴリシング・フロウズ』(文藝春秋)。津村作品で唯一読んでいなかったもの。これ読んだら終わりなんてもったいないなと思いつつ読み終えた。よかった。『ウエストウイング』の主要人物のひとりだったヒロシ(小5)が中3になっている。今度、大阪に行ったら、大正区ツアーしたい。めがね橋渡りたい。これで『君は永遠にそいつらより若い』『エヴリシング・フロウズ』『浮遊霊ブラジル』が今のところ私の津村さんベスト3。
「たぶんまた誰かが自分を見つけて、自分も誰かを見つける。すべては漂っている」(p.346)