y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

出前の日

今日も暑くなりそうだなーと職場までの道をのろのろ歩いていると、70代ぐらいの女性から声をかけられた。宗教かなんかかと思ったらペットボトルのキャップを開けてくれないかと言う。お安い御用ですよと受け取るも、こんな汗ばんだ素手でキャップを握っていいのだろうかと不安になり、鞄からティッシュを出して上から被せてゆるめてからお渡しする。あらあら、そんなに気を遣わなくたっていいのに、いつもは水筒を持って出るんだけど今日は忘れちゃって、ありがとね、これからお仕事?がんばってね、と別れ際、塩ミルク飴を手渡してくれた。

お昼は、職場のボス(韓国ドラマ風に言うとチーム長)がうな重の出前を取ってくれる日。ここ何年か、飲み会がなくなった代わりに、時々こんな豪華なランチを食べられる。飲み会よりこちらのほうがずっといい。うふふ、今日はうなぎ!ですねですね!みんな朝からウナウナウナウナ落ち着かなかった。そしてようやくお昼に。歯が不要の飲み物みたいなうな重で満腹。

帰り、スザンヌ・オサリバン『眠りつづける少女たち』(紀伊國屋書店)を開くも、集中できずに、もう一冊携帯していた川上弘美『東京日記7 館内すべてお雛さま。』(平凡社)を読む。煮えて溶けかかった脳みそにもこれなら大丈夫。これもなんとな~く読み続けているシリーズ。ポケットに入っていた塩ミルク飴を思い出し、口に放り込む。いい塩梅の甘さとしょっぱさが、疲れた体に沁みわたりおいしかった。