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ヨムヨムエブリデイ

題名はいらない

yomunel2016-10-04

もう10月。西の方には台風。前回の朝ドラは途中で脱落したが、新しいのをとりあえず見る。高良健吾の登場人物紹介に、主人公と結婚はしないようだが「生涯にわたってすみれを支え続ける」とある。真田丸のきりちゃんは「信繁の生涯のパートナー。信繁の波乱の人生に寄り添い続ける」で、この何があっても生涯ずっとそばに寄り添い続ける人にちょっとどうかなりそうなくらい弱い。はい次ーはい次ーってならないのね。

「WEB asta」の南陀楼さんが全国各地の本好き女子のお悩み相談に3冊の本を選んでこたえるコーナー*1を愛読している。このお悩みというのが、「決められない性格を直したいです」とか「テンションがいつも低いです」とか「人付き合いがうまくできません」とか「出不精で困ります」とか、本好きだからそうなってしまうのか、あるいは、そういう性格だから本好きになるのかいちいち共感できるものばかり。そして最新の回の相談が「働きたくないんです」で、ほんとそれな!と思った。飲み会なんかで、宝くじが当たったらどうするという話になったとき、真っ先に仕事を辞める、と言うのはいつも自分だけで、他の人は、辞めちゃったら社会との接点がなくなって不安などと言うのでがっかりする。よくぞ「働きたくないんです」と相談してくれた。感動した。でも誰も家賃払ったりしてくれないから働きますけれど。

スティーヴン・キングは好きだけど、新刊が次から次へとどんどん出る(しかも長い)のでとてもフォローしきれていない状態だが、エドガー賞を受賞したミステリーだとのことで『ミスター・メルセデス』(文藝春秋)を読んでみる。上巻を読み終え(文字がちっちゃ)、インターミッションの間に、松田青子『ワイルドフラワーの見えない一年』(河出書房新社)と田中小実昌『題名はいらない』(幻戯書房)をちょびちょび読み、メルセデス下巻に戻るともう続きが気になってたまらず、昼休み、帰りの電車で読み耽る。昔、新潮文庫から『グリーン・マイル』が毎月1冊ずつ全6巻の分冊で刊行されたときなんか、よく1ヶ月ずつ半年間も律儀に待ってたよなあと思う。このメルセデスは三部作の第一弾だそう。