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ヨムヨムエブリデイ

ミスター繰り返し

慌ただしく日々が過ぎる。暖かかったり凍えるような雨だったり、風邪をひきそうでなかなかひかない。ひな祭りはちらし寿司のかわりに回転寿司で祝ってもらった(そんな歳でもないけど)。四個入りの桜餅を買い、私がみっつ、友人がひとつ食べ、あとに桜の葉が三枚残った。きょうは十日ぶりの休日だ。アカデミー賞を見ながらうとうと、本を読みながらうとうとし、気付いたら外は暗くなっていた。この一週間に読んだ本。

『新廃線紀行』は帽子にコート姿のカバー写真が宮沢賢治っぽい。シブい装丁は南伸坊さん。次から次へと出てくるB級の食べ物がじつに美味しそう。〈年季の入ったまずさ〉と書かれている熊谷のふらい焼までが美味しそうに思えた。
『野菜讃歌』は裏の紹介文に〈繰り返しとみえて同じではあり得ない日常を掌で撫でるように慈しみをこめて描く〉とある。さらに巻末の佐伯一麦氏の解説にも〈こんなふうに、同じ出来事が何度も何度も繰り返し描かれることに疑問を抱かないでもなかった〉とあり、そんなに繰り返し繰り返しって何度も繰り返して言わなくてもいいやんっ(怒)と思ってしまうのだった。
ごろごろしながらミスター繰り返しの講談社文芸文庫の随筆集を読んでいるといつもより少し贅沢な気分になる。電車で行けるところをタクシーに乗っちゃった、すみませんという感じ。