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ヨムヨムエブリデイ

年賀状

12月最後の日曜日。寒いがよく晴れている。年末の仕事が忙しく疲れが蓄積している。残っていた食パンでフレンチトーストを作り、たっぷりのコーヒーと一緒にゆっくり食べる。さて、今日こそ年賀状をやってしまわねば。
LINEをやりとりする親しい知り合いや職場の人とは、もう年賀状はやめてもいいよねと言い合い、年々枚数が減って全盛期の頃の半分ほどになった。普段は連絡をとらない学生時代の古い友人たちとの年賀状のやりとりが意外に楽しい。昨年の年賀状に書かれていたネタに一年越しでコメントしたり、昨年書いた問いのようなものに一年越しで答えてくれたり、このLINEでピュッの時代に、一年の時間をかけて往復するメッセージを、人が運んでくれる。delayの自分にはなんだか好ましい。だから「昭和~」っていわれるのか。
午後、ようやく年賀状を仕上げ、買い物がてら投函しに行く。気持ちのよい冬晴れ。12月後半の春の要素ゼロの冬が好きだ。正月を過ぎると、新春とか梅だとかいって、春の気配がじわじわ入り込んでくるので、残り少ない春の要素ゼロの冬を満喫したい。気がかりだった年賀状を終えたので、あとはもう好きなことやって過ごす。北村薫『中野のお父さんの快刀乱麻』(文藝春秋)、池内紀 川本三郎『すごいトシヨリ散歩』(毎日新聞出版)、朴沙羅『ヘルシンキ 生活の練習』(筑摩書房)を読んだ。朴沙羅パクサラ、この名前どこかで見たことがあるぞと思ったら、あ、あの『家(チベ)の歴史を書く』の人だ!とつながった。はじめは脳の表面を撫でていくだけだったのが、二度目に会った時、脳の中にぐいぐい入ってきて定着する。この感覚、何度味わってもいい。