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ヨムヨムエブリデイ

グロテスクな人々


アメリカンテイストのかっけーカバーの新潮文庫

7月になっていた。誕生月。運転免許の更新の年。茅の輪をくぐりさっぱりして下半期に突入。1日が日曜日で休みだったから、前半戦のアディショナルタイムが24時間もあった感じがした。勝っている人からしたら長すぎると思うかもしれないが、負けているというか、追う立場の身としてはありがたかった。

シャーウッド・アンダーソン『ワインズバーグ、オハイオ』(新潮文庫)のカバーがかっこよくてジャケ買いした。新訳でちょっと読み直してみようかなという気になる(講談社文芸文庫の『ワインズバーグ・オハイオ』が1188円で新潮文庫版が637円)。
春ぐらいにWebちくまの「昨日、なに読んだ?」で春日武彦がアンダーソンの単行本未収録短篇集『トウモロコシの種蒔き』(柏艪舎)を紹介していた。

微妙な違和感、どこか身につまされるような気持の悪さと居心地の悪さ。そして小説と呼ぶには不器用すぎる文体(マッカラーズやオコナーだったらもっと上手く書いたに違いない)が、かえってそれを書かずにはいられなかった切迫感を伝えてくる。

へえ、いまごろ未収録短篇集が出たんだとそれで知ってさっそく読んだ。薄い本だった。あと津村記久子『枕元の本棚』に、架空の町を舞台にした『ワインズバーグ・オハイオ』つながりで、小田扉『江豆町』も読んでや〜(「でや〜」とは書いていなかったが頭の中で関西弁に変換される)とあったのでそれも読んだ。アンダーソンの新訳文庫を入手してこの2冊を思い出した。

岡崎武志さんのブログに、最近何を見ても、何を読んでも面白いと書かれていたが、自分も今、何を読んでも面白くて、本を読むのって本当に楽しい、イライラしながら読む本もそれはそれで楽しい、もうどしどし読んじゃいたいと思っている。