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ヨムヨムエブリデイ

ロキソニン

先週からあれよあれよと桜が花開いて、通勤途中にある桜並木がロキソニン色に染まっている。ロキソニンの半分はソメイヨシノでできている(できていません)。
陽気に誘われ、昼休み、弁当と本を持って外に出る。弁当といっても炊き込みご飯の残りを海苔で巻いたおむすびだけだったので、途中パン屋をのぞくと、好物の明太フランスが焼き立てででてきたところで、速攻で買う。熱くて持てないくらいホカホカで、ひと口かじると湯気が立ちのぼる。うまーい。陽射しもあったかくて気持ちがいい。食後のコーヒーをゆっくり飲みながら、開高健『眼ある花々/開口一番』(光文社文庫)を読む。『眼ある花々』は世界各国の「花のある情景」をテーマに綴られたエッセイで、今時分に読むのにぴったりだ。濃密な文章にむせかえりそう。光文社文庫開高健選集なんていつ読むんかいなと思いつつ均一で見かけるとつい買い集めてしまうのだが、先日、週刊現代で、岸本佐知子さんが「わが人生最高の10冊」の1冊に『眼ある花々』(中公文庫)を選び、「著者の世界各国での凄絶な体験の数々を、豊潤な言葉のバレエで綴った傑作」と紹介していて読みたくなった。こういうとき買っといてよかったと思う(中公文庫版ではないが)。
きしもっさんは、「本の雑誌」4月号の図書カード三万円使い放題!にも登場し、紀伊國屋書店笹塚店では「ひと棚まるごと岸本佐知子さんフェア」が開催されていて、この1〜2か月で、きしもっさんの読書遍歴にぐっと詳しくなった気がする。新潮クレストから『誰もいないホテルで』を選ぶんだとか、小川洋子は『原稿零枚日記』なんだとか、笹塚店のきしもっさんの本棚を眺めているだけで愉快だった。