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ヨムヨムエブリデイ

三連発

GWが終わって(といってもたった4連休だったが)またルーティン生活が戻ってきた。休みはボリューミーではなかったが、せっかくの連休なのでボリューミーな本を読もうと村田沙耶香『世界99』上下巻を選んだ。今年読む一番長い小説。装丁は名久井直子さん。連休が終わる頃に読み終えられるかなと思っていたら、勢いがついて連休前半に一気に読んでしまった。疲れたー、脱力。最後のページにたどり着き本を閉じたとき、ああこれでやっと「ピョコルン」と「ラロロリン人」の世界から解放されたわと思った。本から解放はされたけれども、何ともいえない後味が尾をひく。これまで読んだ村田沙耶香が全部詰まっている。

やはり長編小説を集中して読むのって楽しいなあと、読後の勢いのままに、買って積んで安心していた佐藤正午『熟柿』を開いた。え、どういうこと?と何度も前のページに戻っては確かめなくてはいられない佐藤正午の小説のめんどくささがいつもより控えめで、これは好きな佐藤正午だった。後半やめられずに一気に読み終え、はあ、よかったー、かおりさ~ん、土居さ~んと呼びかけてしまった。ひさびさに、読んで、登場人物の名前を呼びたくなる小説だった。沙耶香タイフーンにダメージを受けまくった頭の中が、『熟柿』によって丁寧に修復されていくようだった。

長編小説楽しい楽しい!とさらに勢いづいて次に手に取ったのが、直木賞を渇望する女性作家が主人公の村山由佳『PRIZE』筒井康隆『大いなる助走』の令和版と何かに書かれているのを見た。これまた面白くてやめられず最後まで。
それぞれ、堪能いたしました。