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ヨムヨムエブリデイ

缶コーヒーのある風景

昼休みのエメマン

季節の変わり目で急に暑くなったせいもあるのだろうか、このところ訃報がよく届く。今日は、以前お世話になっていた直属の上司が、心臓病で急逝したとの知らせが入った。死ぬにはまだ早すぎる年齢だったのでショックだった。
気さくな上司で、仕事に疲れて休憩所の椅子にぼんやり座っていると、よく缶コーヒーをおごってくれた。甘いのがいい?甘くないのがいい?と訊かれ、ヘロヘロのときは甘いのを、気合を入れてシャキッとしたいときは甘くないのを希望すると、ゴトンと音をたてて落ちてきた甘かったり甘くなかったりするコーヒーをとりだして、ほいっと渡してくれた。ビールやコーラのよりも硬くて開けにくいステイオンタブを開けて、並んでちびちびすすりながら色んな話をした。今思えば、あの時間に結構救われていたなあ。一緒に飲んだ缶コーヒーは、25メートルプール1杯分には届かないが、バスタブ1杯分ぐらいにはなるのではないか。訃報を聞いた昼休み、上司の好きだったエメラルドマウンテンを買ってきて飲んだ。

缶コーヒーの友は、くどうれいん『湯気を食べる』と鄭執『ハリネズミモンテカルロ食人記・森の中の林』(関根謙訳)。ハリネズミのほうがなかなか進まないので、くどうれいんのエッセイ集を保険で持ち歩いていたら、こちらを先に全部読んでしまった。

ハリネズミモンテカルロ食人記・森の中の林』は第11回日本翻訳大賞受賞作。中国で注目を集めている「新東北文学」とのこと。
第1回日本翻訳大賞受賞作のパク・ミンギュ『カステラ』(クレイン)を、韓国文学への興味も知識もなかったがとりあえず読んでみっかと手にとったのがきっかけで、訳者の斎藤真理子を初めて知り、それ以降韓国文学にハマッていったように、「読んでみっか」から何かが始まることもある。中国にも新東北文学にも興味がないけれども、とりあえず読んでみることにする。