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ヨムヨムエブリデイ

赤瀬川原平の芸術原論展―1960年代から現在まで


週末の休みに有休をくっつけて九州に行った。博多の友人のところに行くのが第一の目的だったが、千葉市美術館で見そびれた「赤瀬川原平の芸術原論展」が大分に巡回しているというので、ちょっと足をのばすことにした。飛行機で到着した金曜日は博多で遊んで、土曜朝に博多駅から青いソニック号に乗り大分へ。小倉で進行方向が変わり、2時間ちょっとで大分着。別府や湯布院には来たことがあるが大分市は初めてだ。駅周辺が工事中だった。街なかにドーンと大分県立美術館(OPAM)があったが、ここは4月に開館予定だとのこと。赤瀬川原平展が開催されているのは街からはずれた丘の上にある大分市美術館だ。美術館行きのバスで向かう。


美術館前の芝生の丘からは、市街地と山と海が見渡せる。大きな象がパオーンと迎えてくれた。象は子どもたちに大人気。
ものすごく見応えがある展覧会だった。人が少なかったので心ゆくまでゆっくり見られた。赤瀬川原平は4歳から高校1年生まで大分市で育ったとのことなので、地元の人からとても親しまれているという印象を受けた。エッセイにも大分のことがよく登場するし、訃報のニュースをフライングしたのも確か大分の新聞社だった。1/25には雪野恭弘氏を迎えての鼎談、2/1には南伸坊氏、松田哲夫氏の講演会があると書いてある。その日に来たかったなぁ。
帰りは坂道をぷらぷら歩いて下ることにした。歩くと汗ばむほどのポカポカ陽気で、頬に当たる風が冷たくて心地いい。阪急六甲駅から口笛文庫へと下る道を思い出した。街に戻りジュンク堂で、岡本仁『果てしのない本の話』(本の雑誌社)を買う。岡本仁っていったら、シャレオツなアレ的な本でしょ?と思うけど、表紙の高橋ヨーコさんの写真が爽やかで、旅先で買うのにぴったりな一冊だと思った。2/11に芥川賞小野正嗣氏のサイン会があるよのお知らせが貼ってある。そういえば小野正嗣氏も大分出身だ。
そのあとで、古本も新刊も置いているというブックカフェ「カモシカ書店」に寄ってコーヒーを飲み、駅で弁当を買って帰りの列車に乗り博多に戻る。博多では友人とだらだら何か食べてるかお茶してるかのどっちかだった。楽しかったなぁ。知らない街を歩き回るのは本当に楽しい。旅は出発するまでが面倒くさいんだけど、行ってよかった。
今週からまたいつも通りの生活。仕事帰りに本屋をのぞくと「芸術新潮」が赤瀬川原平追悼大特集で、「尚子夫人インタビュー inニラハウス」を食い入るように読んだ。