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ヨムヨムエブリデイ

大好きな書評

半ドンの日だったが、職場のPCを全部 Windows Vista に交換する作業があるため、立会い人として午後からひとり居残ることになった。残業代をもらえて、本も読めるので、ラッキーなことなのだけれど、同僚が(口先だけにしても)大げさに気の毒がったり、申し訳ながったりするので、こちらも 「でもね、誰かが残らないといけないんだからさ」と暗い声で、わざわざ残ってやってる感を恩きせがましく演出してみせる。
作業のあいだ、来客用の上等なお茶をこっそりいれて、昨日から読んでいる 『大好きな本 川上弘美書評集』の続きを。川上弘美の書評を読むといつも、その書評されている本を読みたくなってしまう。
池内恵『書物の運命』を読んだときは、取り上げられている本のほとんどが未知のもので、たまに梨木香歩『村田エフェンディ滞土録』なんていう顔見知りが出てくるとホッとしたものだ。足が届かない深い海で 『村田エフェンディ滞土録』に必死にしがみついているような気分で読んでいた。川上弘美書評集はちゃんと足が届く深さで、顔見知りもたくさん。どちらがいいのかは、わからないけど、足が届くほうが、楽しむ余裕ができる。
PC交換作業が終わり、Vistaの説明を少ししてもらうが、なんだかおそろしく使いにくそう。そのうち慣れるのかしら。
帰りに新刊書店へ。「coyote」を読んだり、『ずばり東京』の泉麻人解説を読んだり。ランダムハウス講談社文庫から俵万智選 『くだものだもの』が出ている。山本容子カバー。昔、福武文庫から出版されていた日本ペンクラブ編アンソロジーシリーズ(ブックオフでもよく見かける)の復刊だ。これまで、くだものだもの (ランダムハウス講談社文庫 た 2-1)

が復刊されているみたい。このまま続くのかな。
「波」と「ちくま」をもらう。「波」の〈新潮クレスト・ブックス〉9周年記念 小池昌代×堀江敏幸×鴻巣友季子座談会を読む。ジョン・バンヴィル『海に帰る日』とイーユン・リー『千年の祈り』は絶対に読もう。