y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

ポケットに文庫本を

これが限界

昨夜は友人と「イングロリアス・バスターズ」を見たのち、とんかつ屋でカキフライ定食を食べた。友人はロースかつ。そのあと映画の話なんかをしながら夜の町をテクテク歩いて帰った。途中自販機で買ったホットコーヒーをポケットに入れてかじかんだ指を温めたりしつつ、橋を渡り、踏切を渡り、家に着いた。
『グラーグ57』を読み終え、次はジョン・ハート『川は静かに流れ』(ハヤカワミステリ文庫)をカバンに入れる。電車で文庫を読んでいる男の人が、降りるときに、文庫本をスルリとコートのポケットに仕舞って出て行く姿がエレガントで見とれる。私も真似してみるけれど、ポケットの幅が足りないせいか、半分までしか入らない。ぎゅうぎゅう。もうこれが限界。しかたなくカバンに仕舞う。
村上春樹「ジョン・アプダイクを読むための最良の場所」というタイトルのエッセイには、ポケットに〈煙草とライターとジョン・アプダイクのペーパーバック〉だけつっこんで上京したとあるが、これちょっとかっこよすぎだ。女だとこうはいかない。ハンカチとか化粧道具とかヘアブラシとか生理用品とかいろいろあってポケットに入りきらない。
町田康東京飄然』が文庫になっていた。単行本を処分してしまったが、なんとなくまた読みたくなって買ってしまう。カバーデザイン有山達也。これもポケットに入れて町を歩きながらだらんだらん読みたい本だけど、コートのポケットに入らないのでしかたなくカバンに仕舞った。『ecocolo』の冷えない暮らし特集を読み、明日から白湯を飲もうと思う。