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ヨムヨムエブリデイ

牛乳一合ココア入

うう、寒っ。こんな日は早く帰ってこたつに足を突っこみたい。『IN★POCKET』11月号の特集が「2009年文庫翻訳ミステリーベスト10」で、今年もまたベスト祭りが始まっちゃったなと思う。やれやれ、でもうれしい。今はあんまり読まなくなってしまったけれど、本が好きになったきっかけが翻訳ミステリーだったから、ミステリーベスト10なんて目にすると思わず血が騒ぐ。それで毎年この時期だけ、読む本のミステリー率が高くなる。ミステリーとこたつが必ずセットになっているのだった。
トム・ロブ・スミス『グラーグ57(上)』のページを繰りながら、子どものころもこたつでハヤカワ文庫のクィーンやクリスティやハテナおじさんのマークの創元推理文庫なんかを夢中で読んでいたことを思い出す。変わったことといったら、自分で働いたお金で好きなだけ本を買えるようになったことと、「本ばかり読んでないで早くお風呂に入んなさい、お湯が冷めちゃうわよ」という口うるさい母親がいなくなったことぐらい。そんだけしか変わってないのって子どもの自分が知ったらがっかりするにちがいない。
風呂からあがってあとは寝るだけになり、ココアをいれて肩までこたつにもぐりこむ。足先までじんわり温もるのを感じつつ『グラーグ57』のつづきを読む。気づいたらうとうと。これぞ、冬の醍醐味。「風邪ひくから布団で寝なさい」という小言も今となっては懐かしい。