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ヨムヨムエブリデイ

これは、アレだな

先日「たまむすび」を聞いていたら、本の紹介コーナーでブルボン小林が、高橋源一郎の『これは、アレだな』(毎日新聞出版)を推していた。そうそうこれ読もうと思ってたんだとすぐに読み始め楽しく読み終える。その中で、瀬戸内寂聴の『いのち』の素晴らしさについて触れていた。この本は、河野多惠子、大庭みな子との熱く、激しい友情がテーマになっているとあり、このふたりに興味があるので、今度はさっそく『いのち』を読む。著者が瀬戸内寂聴で、タイトルが『いのち』ときたら、読まず嫌い王決定戦に参加できるくらい、自分の意志では絶対に手に取らないタイプの本だけど、こんなふうに次に何が起こるかわからない感じはやはりワクワクする。『これは、アレだな』を読むまでは、瀬戸内寂聴に『いのち』というタイトルの本があることさえ知らなかったのだから。
私の最近の「これは、アレだな」は、川上未映子『春のこわいもの』所収の「ブルー・インク」は村上春樹だな、だ。特に「螢」を連想した。これは、アレ、というかオマージュなのかと思った。

「すばる」7月号をぱらぱらしていたら、楽しみにしている読書日録コーナーの担当が今月から三浦直之に。先月号まで木村紅美だったからこの欄の人選はかなり好み。三浦直之が有栖川有栖の『捜査線上の夕映え』を面白いと言っている。小説の途中から雰囲気ががらりと変わるのだそうで、そのチェンジ・オブ・ペースを味わいたくて次は『捜査線上の夕映え』を読むことにする。ちょっと前まで火村シリーズの新しいのを読むことになるなんて思ってもいなかったのに。曲がり角の先に、何があるかは分からないけど、きっと素晴らしい世界があるって信じてる。