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ヨムヨムエブリデイ

シベリヤの伯父さん

みすず 大人の本棚

行き帰りに長谷川四郎を一篇ずつゆっくり読む。平野甲賀『僕の描き文字』に出てきたり、堀江敏幸の最愛の一冊に『鶴』(講談社文芸文庫)があがっていたりしたので読みたくなって。
長谷川四郎をはじめて読んだのは、10年ぐらい前のこと。ハルキムラカミ 『若い読者のための短編小説案内』 に 「阿久正の話」がとりあげられていたのがきっかけだった。その頃すぐに買えた『長谷川四郎集』(ちくま日本文学全集)にたまたま「阿久正の話」が収録されていたので、それで読んだ(ちくま日本文学全集にはずいぶんお世話になりました)。
『若い読者のための短編小説案内』を読んだ私も、もうそんなに若くない読者になったので、「大人の本棚」の小沢信男編『長谷川四郎 鶴/シベリア物語』(みすず書房)で読むことにする。

ずいぶんむかしに読んじゃった、と仰言る方々も、ですから、ためしにもう一度手にとってみてください。このふしぎに沈着な物語たちは、きのうかたるきょうのこと、のようでもありませんか。 / 小沢信男 編者「解説」より

シベリア抑留のことが書かれていてもどこか風通しがよいかんじがする。ちょっと『ねじまき鳥』の皮剥ぎの場面を思い出したりしたけど。
長谷川四郎 鶴/シベリア物語 (大人の本棚)小さな町 (大人の本棚)愛についてのデッサン――佐古啓介の旅 (大人の本棚)■私の好きな「みすず大人の本棚」ブルー三兄弟