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season2

ロンサム・カーボーイ

鳥を探しに/平出隆

朝から冷たい雨。湿気のせいかコートが重い。平出隆『鳥を探しに』(双葉社)を入れているのでカバンもずっしり重い。650頁を超える京極夏彦もびっくりの厚さ。「小説推理」に4年ちかく連載されていたもので他の本に浮気をしないでちびちび読み進めている。本当にちびちびと。
今週の毎日新聞読書欄の「好きなもの」はコピーライターの秋山晶だった。むかし写真とショートストーリーで構成されたキューピーマヨネーズの広告を雑誌から切り取ってスクラップして集めていた。その後ビジネス社から『アメリカン マヨネーズ ストーリーズ』が出版されたが、これ今読んでも素晴らしくかっこいい。
その名コピーライターが好きなものは、(1)屋上(2)サウスウエスト(3)荒野の小説。(3)ではコーマック・マッカーシーの小説に触れていた。そういえば、ずっと前の「20歳までに、僕はいくつ河を渡るだろうか。」なんていうコピーはマッカーシーの『すべての美しい馬』から始まる国境三部作にぴったりな気がする。他に記憶に残っているキャッチコピーをいくつか。どうです、ちょっとクサいですか?

  • 時は流れない。それは積み重なる。(サントリー
  • 夏はハタチで止まっている。(サントリー
  • おはようと言ってから、僕は撮った。(キャノン)
  • 僕にとって、ロンサムはエンジョイと同じ言葉だ。(パイオニア)
  • ドライマテニーを2杯飲んでいるうちに、街は雪になった。(サントリー

帰りにスターバックスに寄って『鳥を探しに』を読む。公共の場でこんな分厚い本を取り出すのはなんかこれ見よがし感があってイヤだなと思うが、まあ誰も気にもとめないだろう。ロンサムをエンジョイするのだ。コーヒーを1杯飲んでいるうちに街は雪になった、りしていたらいいなあと傘を手に外に出ると、ミゾレまじりの雨。惜しい。