C(Car)とC(Coffee)とB(Book)、今はこれで生活が回っている。
特にどこか遠くへ行きたいわけではないのである。熱いコーヒーを入れたタンブラーを携えて、街なかを抜け、海または山のほうへ車を走らせる。道の駅や地元のスーパーで目についたものを買い、静かなところに駐車して、その辺を散策する。疲れたらコーヒーと買ってきた食べ物をつまみ、シートを倒して読書のち昼寝、ただこれだけのことが楽しくってしかたがない。今の季節だと、日陰に車を停めて窓を開ければ、気持ちの良い風が通り快適だ。もし急に雨が降ってきても車だから安心。これから暑くなったらこうはいかなくなりそうだけれども。
なによりずんずん本が読めるのが嬉しい。油断していたら車にも積読本がたまってきた。まず車に本を積み込み、さらに積み上げるダブル積読だ。この間は、部屋に長らく積んだまま読む機会を逃していた宮野真生子、磯野真穂『急に具合が悪くなる』を車の中で読み終えた。紹介文を読んだだけで怖くてずっと後回しになっていた本だが、近頃、カンヌ映画祭がらみでトレーラーをよく目にするので、覚悟を決めてコーヒーのタンブラーと一緒に車に積み込んだ。しんどい内容だったけれど、思い切って読んでよかった。その日は、ずしんとした余韻とともに、帰路についた。