お盆休み前のてんやわんやをやっと乗り越えたと思っていたら、今度は休み明けに始まった異様な忙しさに翻弄され、おまけに実家でイレギュラーな出来事が発生し、仕事のない日は自分の部屋と実家を往復する日々。電車の中では船を漕ぎ、夜は枕に頭が触れると同時に眠りに落ちてしまう。つくづく自分は地味なルーティンを愛しているんだなあと、ままならない生活を恨めしく思う。
そんな思い通りにいかない日々の中で移動中に少しずつ読んだ柴崎友香『帰れない探偵』がとってもよかった。事務所兼自宅の部屋に通じる路地を見失い帰れなくなった探偵が、世界各地を移動し続ける小説を、自分も移動しながら読んでいたせいか、決して派手な展開などはないのにぐいぐい惹きこまれてしまった。2025年の暑い夏の私の特別な一冊になった。
今は大好きなアン・クリーヴス 『沈黙』の分厚い文庫本をやはり移動中にちびちび読んでいる。ミステリにもいろんなジャンルがあるが、地道な捜査でコツコツと真相に迫っていく警察小説が私は好きみたいだ。マシュー・ヴェン警部シリーズこれからも楽しみだ。