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ヨムヨムエブリデイ

僕の好きな文庫本(27)

つげ義春『貧困旅行記』(新潮文庫

カバー装画・つげ義春 デザイン・新潮社装幀室 解説・夏目房之介

スコーンと気持ちよく晴れた文化の日に御岳山に登ってきた。これが二度目となる。友人と近場でどっか行きたいねと話していて、夏に読んだ浅田次郎『完本 神坐す山の物語』が頭に残っていたので御岳山に決まった。登るといっても途中までケーブルカーを使い、30分ほど歩けば武蔵御嶽神社なのだが、ふだんの運動不足がたたり、それだけで息がはずんでしまった。バリ山行なんて絶対無理だ。下山後、御嶽駅の近くで蕎麦を食べ、心地よい疲れとともに帰路に就いた。
御岳山のことを知ったのは、つげ義春のこの文庫本でだった。読んですぐ御岳山に行きたくなり、その時行ったのがが初めて。他にも、大原・富浦や養老渓谷秋山村、「猫町紀行」の犬目宿など惹かれる場所がたくさん登場するが、一番気軽に行けるのが、立川から意外に近い奥多摩方面だった。つげ義春のこのしょぼい旅行記、なぜかたまに読みたくなるのだ。
今回の御岳山行でオオカミの護符をよく目にしたので、帰ってから小倉美惠子『オオカミの護符』を読み返している。