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ヨムヨムエブリデイ

2022年の10冊

『フィールダー』古谷田奈月(集英社
『生皮 あるセクシャルハラスメントの光景』井上荒野朝日新聞出版)
『決壊 上・下』平野啓一郎新潮文庫
『とんこつQ&A』今村夏子(講談社
『捜査線上の夕映え』有栖川有栖文藝春秋
『私のことだま漂流記』山田詠美講談社
『成分表』上田信治(素粒社)
『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』佐伯一麦(田畑書店)
『じゃむパンの日』赤染晶子(palmbooks)
『東京マッハ 俳句を選んで、推して、語り合う』堀本裕樹・千野帽子長嶋有米光一成晶文社


『フィールダー』ソシャゲには興味ないしなとあまり気乗りせずに読み始めたらたちまち引き込まれ一気に最後まで。興奮した。黒岩センセーイ!/『生皮』本書中の性加害者が仲間内に漏らすお言葉「男っていうのはそういうもんですよね。やれそうなら、やる。そうやって人類を増やしてきたんだ」「その通り」(p.182)。公の場で発言したらアウトだろうが、本音はこれに尽きるのでは。/『決壊』山本文緒がエッセイで「親しい人には絶対に勧めない本であり、でも読んだ人と語ってみたい本だった」と熱く語っていたので読んだ。ヘヴィーだった。キャベジン飲んでもまだもたれている。/『とんこつQ&A』メモを読みあげないと接客することができない表題作の主人公が他人とは思えなかった。/『捜査線上の夕映え』ひさびさに読んだ火村英生シリーズ。チェンジ・オブ・ペースを楽しんだ。/『私のことだま漂流記』熱血ポンちゃんの自伝、本になるのを待っていたよ。/『成分表』『Nさんの机で ものをめぐる文学的自叙伝』今年前半毎晩少しずつ読むのを楽しみにしていた2冊。/『じゃむパンの日』まさか赤染晶子さんのエッセイ集を読める日がくるとは。palmbooksさんありがとうございます。/『東京マッハ』もし藤野可織さんの句集が出たら読みたい!


あと津村記久子さんの『やりなおし世界文学』に導かれ、いろいろやりなおさせていただきました。別れた人とはやりなおせなくても、本とならいくらでもやりなおせる。おいしいものを食べて本を読んでいられれば、私はいつも上機嫌です。来年またどんな本に出合えるのか楽しみです。では、良いお年をお迎えください。