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ヨムヨムエブリデイ

父と娘

今年最後の平日休み。午前中、昨夜途中までやっていた年賀状を印刷してしまう。このところの忙しさもあり、肩こりがひどくてカッチカチなので、午後からスーパー銭湯に行く。平日の昼間だからか人が少なくて、大きな湯船に手足を伸ばしてゆったり浸かると、疲れが湯に溶け出すようで気持ちいい。極楽じゃ。調子に乗り浸かりすぎてのぼせた。帰り、湯上りの頬にあたる風が冷たくて心地いい。

梯久美子『この父ありて 娘たちの歳月』(文藝春秋)を読んだ。石牟礼道子茨木のり子島尾ミホ田辺聖子辺見じゅんら9人の女性作家たちの父娘関係とその生涯。それぞれの父娘関係があるものだ。
私はといえば、父のことがずっと苦手だった。父が母を、タダで献身的に働く家政婦または女中または召使いのように扱うのを子供のころから見ていたから。家にいるときはなーんにもしないでゴロゴロしていると、自動的に食事が用意され、食べ終わると食器は洗われ、タイミングよく風呂が沸いていて、その辺に脱ぎ散らかした服は次の日には洗濯されきれいに畳まれて目の前に現れる。おまけに子供を産んで育ててくれて、自分の親の介護までしてくれたら、そりゃあいいよなあ、女は損だなと思っていた。今も思っている。でも、世の中には、自分を犠牲にして、夫や子供に尽くすのを生きがいのように思っている(思わされている)方もおられるので、そういう方が、そういうのを求める人と共に暮らせば平和なのでしょうね。昨年読んだ田辺聖子の『十八歳の日の記録』の父親に関する記述がとても辛辣で、だよねだよねー、思春期の娘はそうだよねーと思った。

他に三木那由他『言葉の展望台』、吉川浩満『哲学の門前』、三國万里子『編めば編むほどわたしはわたしになっていった』を読んだ。

夜、昨日のすき焼きの残りにうどんを入れ、たまごでとじて食べる。2日目のすき焼き最高。
年賀状の裏書。このSNSの時代に、学生時代の友人たちとの一年時差のあるアナログのやりとりが楽しい。