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ヨムヨムエブリデイ

ポケットに清張

ひさびさの平日の休日。シオシオのヨレヨレだった。昨夜は、今日の仕事のことを気にせず、奥田英朗『リバー』(集英社)を思う存分読んでから寝た。寝床で読むには厚くて重すぎたが、エルピスを思い出したりしながら一気に最後まで。夜更かしの限りを尽くし、アラームをかけずに眠れる幸せ。
午前中、玉子を茹でて、おでんの下ごしらえを済ませてから買物へ。年賀状や、頼まれていた菓子などを買い、本屋で、出たばかりの文芸誌などをチラ読み。昼はうどん屋で、ちくわ天、おろししょうが、刻み葱をどっさり盛り、七味を振ってハフハフ啜る。あったまった。うまかった。
コートのポケットに松本清張『なぜ「星図」が開いていたか 初期ミステリ傑作集』(新潮文庫)を入れてきた。今年もコート&文庫本の季節だ。嬉しい。松本清張ってたまに無性に読みたくなったりする。新潮文庫だけでもいろんなアンソロジーが刊行され、中身がかぶるものも多いが、読んでも忘れて、もう何を読んで何を読んでいないのかわからないから、その都度楽しめる。「波」8月号の南陀楼綾繁「45冊!新潮文庫松本清張を全部読む 短編小説編」によると、ナンダロウさんの清張短編ベスト10は、

「或る「小倉日記」伝」「笛壺」「真贋の森」「共犯者」「顔」「遭難」「張込み」「黒地の絵」「声」「父系の指」

この『なぜ「星図」が開いていたか』には、南陀楼さんの挙げる「顔」「張込み」「声」「共犯者」他4編が収められている。たまに読む清張はドロドロしていていい。
ぶらぶら歩いて帰って、おでんを煮込み、明るいうちから風呂に浸かり、あとはやりたいことをやって寝るだけ。なんていい日。