y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

じゃむパンとモヤモヤの日

本当は怖い助六寿司

昼休み、助六寿司が配給された。巻き寿司といなりが同数の場合は、どちらから食べ始めるか悩むところだが、今日のは、迷わず巻き寿司からだ。巻き寿司スタート巻き寿司フィニッシュ。食後、一緒に配給された柏屋の薄皮饅頭を手に、茶をすすりつつ、宮崎智之『モヤモヤの日々』(晶文社)をちびちび読む。著者がインタビューで、イメージにあったのが〈大正時代~昭和初期に薄田泣菫が書いた『茶話』とか、吉田健一西日本新聞に連載していた新聞短文連載『乞食王子』でした。僕は本で読んだんですけど、そういった新聞コラムが大好きで、同じようなことができたらと思ったんです。〉と語っている。ここのところ山本文緒のエッセイや日記に出てきた小説、平野啓一郎『決壊 上・下』(ヘヴィーだった!)、吉川トリコ『余命一年、男をかう』、島本理生『星のように離れて雨のように散った』と続けて読んできたので、いまは短いコラム集がなんともいい塩梅だ。

「ミステリマガジン」1月号の特集が今年のベスト10ランキングで、ああもうこんな時期なんだと思った。アンケート集計スタイルのベスト物は、ランキング順位より、各人のリストやコメントをじっくり眺めるのが楽しい。これからいろんな媒体でベスト本が続々発表され、毎年12月の中旬頃には満腹になってしまうのだけれど、始まりは、やはりわくわくする。

個人的に今年いちばんの事件は赤染晶子のエッセイ集『じゃむパンの日』(palmbooks)が出たこと。これまで書籍という形で読める赤染晶子のエッセイは『ベスト・エッセイ2011』所収の「かまい」と『ベスト・エッセイ2013』所収の「書道ガール」(村上弘明!)の2編のみで、京都新聞の連載とか全部本になればいいのにとずっと願っていたのでめちゃくちゃ嬉しい。夏に、駒沢敏器ボイジャーに伝えて』(風鯨社)が出たときもびっくりした。願っていれば案外叶っちゃうものなんだ。