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ヨムヨムエブリデイ

その雪と血を

ここのところ、いつにも増して仕事がしんどい。午後半休を取る。弁当配給の日だったので、帰ってからゆっくり食べようと楽しみに持って帰る。

途中、お年玉年賀はがきの切手シートを交換しに郵便局に寄ると、80代ぐらいの男性が入口の段差の所で転倒し、顔面を打撲したのかマスクが血で真っ赤に染まっている。鼻血と唇からも大量に出血している様子。すぐそこでお年寄りが転んで顔から出血しているので、ティッシュかタオルをお借りできませんか?と郵便局員さんにお願いすると、えっ大丈夫ですか?とノベルティグッズのタオルやティッシュやビニール袋を出してきてくれる。幸い、お年寄りは、意識も明瞭で、自分で歩けるようだ。救急車を呼びましょうか?と訊いたら、救急車を呼ぶ程ではないよ、この先にかかりつけの病院があるからそこに行きたいと言う。じゃあタクシーをと番号を調べていると、そばにいた20代後半ぐらいの若い男性が、近くに僕の営業車があるのでそれで行きましょうと言ってくれる。成り行きで付き添うことになり、タオルで顔を押さえる老人と一緒に営業車に乗り込み、息子に電話してくれとのことで、お年寄りの携帯から、これこれこういう状況で今〇〇病院に向かっていますと伝える。病院に到着し、診察室に入るのを見届けてひと安心。しばらくしたら、息子のお嫁さんがやってきて(息子じゃないんだ)、無事バトンタッチして病院を後にする。若い営業マンと、よかったですねー、ほんとよかったよかったと言い合い別れる。

こんなことをこれ見よがしに書いていると、いかにも善いことをしている自分に酔っているようで、実際、酔って酔って酔いしれているのだが、その最中は自分に酔うなどと考える余裕もなく、みんな、その時自分にできることをやっているだけだった。郵便局員さんは、大丈夫ですか?足りますか?とタオルなどを持ってきてくれ、営業マンは、快く営業車を提供してくれた。どっと疲れが出たが、なんだかいい感じの疲れだった。明日は大雪(らしい)。