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ヨムヨムエブリデイ

僕の好きな文庫本(13)その2

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金井美恵子『タマや』(講談社文庫)

カバー写真・山田宏一 カバーデザイン・金井久美子 解説・武藤康史

子供の頃から優柔不断で、迷った末に何かを選んだあと、やっぱりあれがよかった、あっちにすればよかったとくよくよ後悔し続け、1年たっても2年たっても、5年たっても、やっぱりあの時のあれは、とウジウジしているものだから、とうとう母が「あんたが迷った時はもう両方買っちゃいな!」とキレてしまった。安いものならそれでいいのだけれど、家電とかになるとそうもいかず、大人になってもずっと後悔し続けている。新刊書籍は買い逃してもまた買える(最近はそうとは限らない)が、古本は一期一会感が強く、買い逃して、あれ買っとけばよかったーと歯噛みすることばかり。リアル地団駄を踏んでいる。なんでこんなことを思い出したかというと、前回『小春日和』を選んだあと、うーむ『タマや』もいいなと悩みはじめ、目白四部作では、『タマや』か『小春日和』か『タマや』か『小春日和』か『タマや』か『小春日和』かとウジウジの虫が騒ぎだしてので、僕の好きな文庫本(13)を2部に分けた次第です。でも、講談社文庫版にするのに、迷いはなかった。