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ヨムヨムエブリデイ

僕の好きな文庫本(10)

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長嶋有『タンノイのエジンバラ』(文春文庫)

カバー・斎藤深雪 解説・福永信

「群像」8月号の特集「長嶋有の20年」を読んだ。自分が『タンノイのエジンバラ』に出会ってから、もう20年近くもたったのだ。その時読んだのは、高野文子の装画が表紙の単行本版だったが、当時の自分にとてもしっくりきて、以来、新刊を楽しみに読み続けてきた。その都度、面白かった。でももし最初に読んだのが、芥川賞受賞作を収めた『猛スピードで母は』だったら、ハマっていなかったかもしれない。最初の一冊って責任重大だ。縁があれば、読み続けるし、なければそれっきり。運命の分かれ目。で、20年後の今、『猛スピードで母は』を読み返してみたらどう感じるか?ちょっと楽しみでもある。