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僕の好きな文庫本(6)

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川本三郎『ちょっとそこまで』講談社文庫

カバー装画・安西水丸 解説・池内紀

3度目の緊急事態宣言ということで、安西水丸カバーしばりも3連発目。4月24日から世田谷文学館で開催予定だった安西水丸展も、24日に始まったぞと思ったら、25日から休館になってしまった。ただ町をぶらぶら歩き、映画を見て、本屋をめぐり、コーヒーを飲んで帰るだけのことが無上の喜びとなったのは、川本三郎のおかげ。元祖は植草甚一か。この文庫本の中でも、日暮里駅で下車し、谷中の商店街で佃煮と漫画アクションを買い、愛玉子でオムライスとビール、上野に出てにっかつ2本立てを見て、銭湯で汗を流して帰るという黄金のコースを歩んでいる。小諸そばの小梅、赤城しぐれ。遠くには行けなくても、「ちょっとそこまで」ならいつでも行ける。