y o m u : n e l

ヨムヨムエブリデイ

NAE・NAE 16

休み。昨夜の残りの筍ごはんを食べてゆーっくりコーヒーを飲んだあと、予約していた美容院に散髪に。歩いていると暑いくらい。いつも切ってくれる美容師の人から「何かストレスでもありました?頭皮がカッチカチですよ、尋常じゃない硬さです!」と言われる。ストレスはまあ一年中なんだけど、でも硬い頭蓋骨に、薄い頭皮が張り付いているんだから硬いのが普通じゃないの?むしろぶよぶよ軟らかい頭皮のほうが変じゃない?と訊くと、軟らかくていい頭皮は、頭蓋骨の上でよく動くのだそう。毎日するとよいという頭皮マッサージ法を教えてもらう。何はともあれ、岩のような硬い頭皮に生えている髪を切ってさっぱりした。散髪帰りの4月の風が気持ちいい。散髪の帰りの道で会う風をゼリーにして保存したい。岡野大嗣と立原道造が混ざってる。

津村記久子『つまらない住宅地のすべての家』を読み終える。最初、この本の冒頭の住宅地図を見た時、ジョン・マグレガーの『奇跡も語る者がいなければ』を連想したのだが、著者のインタビューに、きっかけはマーガレット・ミラーの『まるで天使のような』とロス・マクドナルドの『さむけ』、それに探偵!ナイトスクープを入れたとあったので、今『まるで天使のような』を読んでいる。5年程前に黒原敏行による新訳が刊行され、再読する気MAXだったのに、例によって、読む気が萎え萎えシックスティーンになってしまっていた。でも、萎えた本もこうやってよみがえることがあるのがいいところ。文庫化や映画・ドラマ化や古本屋によっても萎えが復活する。

とんかつ屋ヒレカツランチを食べ、コーヒーを飲みながら『まるで天使のような』を読み、散髪帰りの風を満喫しながら帰路に就く。夜、岩のような頭皮をマッサージ。