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ヨムヨムエブリデイ

大人はいいコーヒーを飲む

毎年この時期になると憂鬱のたねの職場の忘年会が今年はすべて中止。ありがたいことだ。その代わり、昨日のランチにボス(韓国ドラマ風に言うとチーム長)が出前を振る舞ってくれた。私は、鰻重一択だったのだが、鰻苦手という人がいて、じゃあ寿司はどうだと提案する人がいれば、生魚苦手という人がいてなかなか決まらず、結局老舗とんかつ屋のとんかつ弁当になった。ヒレかつがとてもやわらかく、歯がいらなかった。くちびるであむあむ噛んだ。

11月下旬に、ミステリのランキングが出始め(ミステリマガジン、このミス、週刊文春)、ダ・ヴィンチ本の雑誌週刊読書人図書新聞毎日新聞などが続々と今年のアンケート特集を組んでくるこの10日間ぐらいが一番わくわくして楽しい。荒川洋治光文社古典新訳文庫好きだなーとか。それを過ぎると、もう腹パンパンで倦怠期の夫婦のように醒めてトキメかなくなってしまうのはいつものこと。あーまたですかって。でも毎年、街頭のイルミネーションみたいにキラキラした10日間余りを過ごせるのは、本好きの醍醐味だと思う。

長嶋有『今も未来も変わらない』(中央公論新社)を読んだ。細部がいちいちよくって、読んでる間ずーっと楽しかった。はーよかったなと名残惜しく後ろの見返しを開くと、カバーのそでの部分にマスク姿の著者近影がある。それだけでこの本はコロナ後に出版されたことがわかる。帽子に眼鏡にマスクと、以前だったらかなり怪しい出で立ちの長嶋氏だが、違和感がなくて、コロナは怪しさを薄めてしまうのだと思った。
他に、冨原眞弓『ミンネのかけら―ムーミン谷へとつづく道』、村井理子『兄の終い』『村井さんちの生活』を読んだ。韓国ドラマを見だすとキリがないので1日2話までと決めている。