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ヨムヨムエブリデイ

一杯のおいしい紅茶

f:id:yomunel:20200825075122j:plain:leftここ最近はこんな本をダラダラ読んだり読まなかったりしながら相変わらずの仕事の日々。まだ暑いことは暑いけれど、暑さのピークは過ぎた感がある。ツクツクボウシが鳴き、夜には虫の声。

マッカラーズ『心は孤独な狩人』の村上春樹の新訳版の書影が出ていたが、これ、《村上柴田翻訳堂》シリーズの文庫で出してくれたらよかったのに。新潮文庫河野一郎訳では、ミックが会話文で「あたし」を使っていたが、新訳では「あたし」じゃなかったらいいな。

たまたま磯崎憲一郎『日本蒙昧前史』を読んでいるときに、谷崎賞受賞のニュースが入った。選考委員である筒井康隆のブログ日記「笑犬楼大通り 偽文士日碌」を読むと、

 密を避けるために今日は二時二十分、運転手だけのお迎え。谷崎賞選考会の会場に到着すると、いつもとは様子が違って、離れたテーブルの間、間にプラスチックの隔壁。机上にはパソコンがあり、六画面に分割されている。川上弘美堀江敏幸がリモート出演なのである。会場での参加は池澤夏樹桐野夏生とおれで、他の諸氏はみな慣れた様子だったが、おれは初めての体験なので面白かった。

ミーハーだけど、こういうほんとどうでもいい記述が興味深い。『日本蒙昧前史』と他の一篇に評が集まり珍しく三つ巴くらいの論戦となる、とあるが他の一篇て何だったんだろう。気になる。

何か文庫を一冊買って帰りたいなーと仕事終わりに書店をぶらぶらした日に、中公文庫のオーウェル『一杯のおいしい紅茶』を買った。いつだったか津村記久子が新聞の読書日記に取り上げていて、古本屋で買った朔北社の単行本も持っていたのだが、結局読んでいない。文庫だったら読めるだろうかと期待して購入。こういう文庫本が通勤かばんに入っているのは、なんとなくいい気分だ。