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ヨムヨムエブリデイ

領収日付印

月曜日。曇り。時々青空が覗く。朝の電車もずいぶん人が増えてきた。月曜恒例の朝礼。いつも通り、一人ずつ今週の抱負みたいなことを言わされる。考えなくてもいいように、言うことは2パターン決めていて毎週交互に同じことをねじ式の人のポーズで機械的に繰り返しているだけだが、特に注意とか指摘されたことはない。人の話を聞いていないのか、あきらめているのか。Sさんは、毎週趣向をこらして意欲的、建設的なことを言うのですごいなあと感心するのだが、あまりにクドくて、結局誰も聞いていない(ように見える)。

昼休み。ペイデイなのでお金をおろし、コンビニで自動車税を払う。領収日付印の欄にポンポンと押してくれる丸い日付印が、四角い枠の中にきちんと正しい向きで押されているとスカッと気持ちいいのだが、今日の店員は、ちょっとどこ見て押してんの!と言いたくなるほど、向きは斜めで枠から半分ぐらいはみ出しやがっていた。納めたことがわかればそれでいいようなものだけど、なーんか気持ち悪いわ。松田青子が風景印を求めて郵便局を巡る本で、朱肉が古いとか、ぐりぐりしたとかやたら不満を書いていたが、その気持ちがわかる。

日付印を斬新な手法で押されたついでに、コーヒーとサンドイッチを買い、近くの公園で食べる。ちょうど木陰のベンチが空いていて周囲に誰もいなかったので食後原田宗典メメント・モリ』(岩波現代文庫)を読んでしまう。「新潮」掲載時に読んだのだけどまた読みたくなって。新潮社の本は自動的に新潮文庫に入るイメージがあるが、今の原田宗典は新潮社より岩波とのパイプが太いということだろうか。原田宗典新潮文庫は、原研哉のデザインで統一されていて、小説は表紙が黄色、エッセイは青、そして背表紙がシルバーでかっこよかった。子供の頃ハマっていた抱腹絶倒のエッセイ群を読む気はもうしないけれど、初期の面白せつない小説は読み返してみたい。『スメル男』、『十九、二十』、『優しくって少しばか』、『しょうがない人』。

夕方、緊急事態宣言が全面解除される。