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ヨムヨムエブリデイ

あーはいはい

職場と家の往復。淡々と続く毎日。あまりにも天気がよくて、新緑が眩しい。ここ数日は通勤時に翻訳小説特集の「群像」を読んでいる。面白い。

昼休み、開いている書店へ。なるべく長居しないようにササッと見てまわる。
文芸誌をひととおりパラパラして、あーはいはい、今月は、村上龍『MISSING 失われているもの』、今村夏子『木になった亜沙』、藤野可織ピエタとトランジ(完全版)』、李龍徳『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』、田中慎弥『地に這うものの記録』あたりを押さえとけばOKなのねーと思っている。何に対してOKなのかOKでないのかわからないが、さも訳知り顔で「あーはいはい」と言っている自分がちょっと嫌になる。昔はこんなではなかったのに。なんというかもっと本に対して腰が低かった。

何か文庫を一冊買って帰りたい病が出て、目についた津村節子『果てなき便り』(文春文庫)を買う。「図書」連載中は、読んだり読まなかったりで、単行本が刊行されてもそこまで興味はなく読まなかった。「図書」の連載は、いきなり岩波新書になることも多くてその場合は気軽に買えるのだけれども。岩波から文春文庫に入りようやく手元にやってきた。帰りにカバンから取り出してまず梯久美子の解説から目を通していく。こういう時というのは、「あーはいはい」の入り込む余地など全くなくて、ページをめくりながらとても気分がよかった。