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ヨムヨムエブリデイ

日曜日たち

日曜日。やっとhomeにstayできる日。晴れて暖かい。休日を楽しみに日々を過ごしている。

村田喜代子の『焼野まで』に、主人公が検査入院して手術を受ける際、腰椎麻酔で行われることになるのだけど、手術中に意識があるのは怖いので全身麻酔にしてくれないかと医師に頼んだら、全麻は体への負担が大きいからできないと断られ、体への負担が少なければ心は蝕まれてもいいのかと思う場面がとても印象に残っている。病院の検査や治療は、身体的にきついのはもちろんだけれども、心理的なダメージも大きい。今回のコロナでも、宇宙服のような防護服を着たろくに顔も見えないスタッフたちにベッドを取り囲まれたら、もうそれだけで恐怖だろうなと思う。

起きて、コーヒーをいれ、洗濯し、風が気持ちいいので、ベランダに椅子を出し本を読んで、昼寝してごはんを作り食べたりしていたらあっという間に夕方に。homeにstayするのを満喫。大好きな読書も文字が全然頭に入ってこなくてできないという人も多いようだが、自分はオカタケさんのように「とにかく、本が読めて仕方がない」。コロナにまつわる政治的なことなど、気が滅入ることばかりだけど、憎いウイルスにまだ心までは蝕まれていないのだと感じている。柳美里南相馬メドレー』、最果タヒ『「好き」の因数分解』、『山内マリコの美術館は一人で行く派展』を読んだ。エッセイ集ばっかり。やはりちょっとは弱っているのかな。外が暗くなり、ああもう一日が終わっちゃう、名残惜しさを感じつつ電灯のスイッチを入れる。

電灯をつけよう参加することがきつと夜景の意義なんだから(山田航『水に沈む羊』)