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ヨムヨムエブリデイ

No Time to Spare

昨日(7日)緊急事態宣言が発令された。5日の夜に、明日緊急事態宣言がでるらしいよというニュースがあったので次の日(6日)てっきりでたものと思っていたら、「緊急事態宣言に向けた準備に入ることを表明する見通し」で、緊急事態宣言がでるのは明日だよとのことだった。それで7日の昼頃にそろそろでたかなと気にしていたら、いやいやまだだよとのことで、結局発令されたのは夕方。なにか、まだですか、今出ました、すぐ着きますといった蕎麦屋の出前みたいな緊急事態宣言で、まったく緊急みがないなと思った。

緊急事態宣言がでたけれど、いつも通りの勤務。医療職なのでこればかりはどうしようもない。朝の電車もけっこう混んでた。今週は2冊の本がかばんに入ってて、これが支え。

何このル=グウィンの「わたしまけましたわ」みたいなタイトルは。原題No Time to Spareに「わ」を付ける?と思っていたのだが、これはもしかしたら「そんなん知らんわ!」の「わ!」かもしれない。暇なんかないわ!(怒)。ル=グウィン怒ってる。
ル=グウィンの本のほうが『御社のチャラ男』の1.5倍ぐらい厚いのだけど、頁数は、ル=グウィン:281、『御社のチャラ男』:317。『御社のチャラ男』のほうが多い。読んでいて『御社のチャラ男』の本文用紙の薄さをすごく感じた。そして紙の手触りがトゥルントゥルン。何という名前の紙だろう。デザイン祖父江慎+藤井瑶(コズフィッシュ)。

スタンダードブックストアで滝口悠生の選書フェアがあったとき、夏目漱石の『草枕』に付けられていたキャプションが記憶に残っている。

漱石で一冊選ぶならこれ。
屋外の描写が多いから、明るくてよい。
造形屋のバイトの昼休みに外で読んだ。

造形屋だから、よく知らないがたぶん作業着みたいなのを着ている人が、昼休みに明るい陽光を浴びながら漱石の文庫本を読んでいる姿を想像して胸キュン。ここにも休憩時間の読書を楽しみにしている人がいた。
今日の仕事帰りに見あげた月が大きくてきれいだったことを忘れずに書いておこう。